Personal reminiscence of a carrot cake.

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ロンドンに住んでいた頃の、大好きなおやつは、フラップジャックスとキャロットケイク。どちらも甘いフロスティングがのっているのが好み。

思い出。
古びた紙の束が醸しだす図書館の本の匂い。あの頃の私の生活の大半は、大学院のコレッジだった。歴史を感じるあの重厚な建物、100年以上もそこにある蔵書、しんと静まり返った空気、コンピュータの青い画面。もう15年以上も前のこと。

そんな時の、ほんの息抜きは、キャンティーンのおやつ。
研究の後に立ち寄るカフェ。
なみなみと注がれたミルクティーにスパイスの効いたキャロットケイクが、何よりも好きだった。

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あれからずっと、口に運ぶことのなかったキャロットケイク。

このケーキは、あまりイギリス以外の国で見かけたことがないように思う。
家庭で焼く素朴なケーキのようなものゆえ、他の国に行った時に瀟洒なホテルのティールームなどには並んでいないし、あるいは地元に密着した小さなカフェに入っても、そこにはその土地のケーキが並んでいるわけで、例えばプラハではそれはバーボフカ(bávohka)を食べることになる。

それに私は、自分でベイキングをほとんどしないので、イギリスを離れてからは、幻のキャロットケイク。

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でも、ローフードをはじめてからは、とくべつなキャロットケイクが食べられる。焼かないし、手軽で、でも栄養がたっぷりで、おいしいキャロットケイク。

それは、ジュースを絞ったあとに残る、ジュースパルプで作る。
私のジュースは、にんじんとビーツだから、パルプも鮮やかな真紅。それにカシュークリーム(これもロー。牛乳のクリームも白砂糖も使わない)のアイボリーの、うつくしいコントラスト。

気に入りは、私の大好きなサイト、I EAT.のレシピ(このcarrotさんのブログは、鮮烈にうつくしい。ふるえるみたいに届く言葉、そして斬新なお料理の数々)。厳密なことは何もなくて、おおまかに、いつもちょっと味見をしながら、どんどん調合してゆくだけ。

にんじんとビーツのジュースパルプを1カップくらいに、ナッツのパルプ(ナッツミルクを絞った後に残ったもの、アーモンドでも、くるみでも何でもいい)、ココナッツ・ファインをひとつかみくらい、デーツを10粒くらい(これはマジョールデーツ、あの大きくてとろりとやわらかいのがいい)、水を50cc位、(これはジュースパルプの湿り具合で加減する。からからの時は、増やす。)全部をみんなフードプロセッサーに入れて、よく混ぜて、まとまるような感じになったら、できあがり。
くるみのみじん切りを加えてざっと混ぜて、それに私は、たっぷりのスパイス。大好きなのは、カルダモン。それにシナモンにオールスパイス、ひとつまみの塩、ヴァニラエクストラクト。

カシュークリームには、浸水したカシューナッツを1/2カップ、レモンの絞り汁を大さじ3、ココナッツオイル大さじ2、メープルシロップを大さじ2に、水を少しずつ加えて硬さを調節しながらブレンダーで撹拌して、仕上げにニュートリショナルイースト小さじ1と塩ひとつまみで、クリームチーズの雰囲気を出す。

ケーキとクリームを層にして、薔薇の花弁と、ピスタチオの緑でおめかし。

あの頃、ロンドンで食べたあのぽろぽろと素朴なキャロットケイクとは少し違うけれど、私にとっては懐かしいあの香り、そしてみずみずしくてしゃきしゃきとした食感、ナッツクリームの濃厚さ。どれも大好きな要素。

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