Salt and bread to welcome friends from afar.

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遠方からの客人を出迎えるため、アトラスという伝統文様の絹の服を纏った少女が捧げ持つのは、塩とパン。
中央アジアの、あの窯焼きの薄手のパン。
出張で地方都市をまわる度、何度も何度も繰り返してもらった、象徴的で、なんともうつくしい儀式。

客人である私は、歓迎のしるしであるそのパンと塩を一口含み、にっこりとする。
取り囲む人々も、にっこりと微笑む。

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ウズベキスタンは、とてもうつくしい国だ。

サマルカンドの鮮烈な青タイルの建築群、ブハラのターコイズブルーのミナレットが映るのはハウズ(泉)の水面。ヒヴァの古代の城壁群は、荒涼とした砂漠の中に、精緻な光景。

そして、あたたかい人々。距離が近くて、たくさん泣いたり笑ったりして、一緒に過ごしたあの時間。

とても大切な場所。

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まだ幼かったころ。

サマルカンドのビビ・ハヌィム廟のかなしくうつくしいお話を読んで、思いを寄せた土地。
西天山山脈のふもと、砂漠の東、遊牧民や隊商が通り過ぎた絹の道。

その場所に、初めて自分で立った時、遠くまで来たなと、心からそう思った。
幼いころに、夢に見た土地のその場所に、自分がいた。

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そんな感傷的な思いを隠し持って、今度は私が客人を迎えるのは、ウズベキスタンのお祝いの料理。
結婚式で、誕生のお祝いで、招かれた祝祭の席で何度も口にした懐かしい料理。

羊とにんじんのたきこみごはん(プロフ)は、ウィグルから中央アジアにかけて広く伝搬する料理。
その祝祭的な色合いがうつくしい。
クミン(ズィラー)とバーベリーの実(ゼレシュク)で香りをつけて、米、ひよこ豆、たっぷりの羊肉と牛肉を合わせて、(本式には)羊のおしりの脂で炊きあげる(中央アジアには、おしりに脂肪の塊を持つ種の羊がいるのだ)。

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取り合わせは、きゅうりとトマトのサラダ(アチックチュチュック)と、塩ヨーグルトのサラダ(スズマ)は、ディルとコリアンダーの香り。
もちろん、ニゲラの種をたっぷりまぶしたノン(平たい遊牧民のパン)も添えて。

何よりうれしいのは、この食事を大好きなお友達とできたことだ。

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